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傍観記者シリーズ~閃光の悲劇再び?~

 星輝の月24日の深夜にその事件は起こった。以前からあくどい商法で噂になっていた北地区のグレディ商会の敷地が轟音と閃光と共に忽然と消え失せ、社長のグレディ氏が行方不明になったというのだ。お隣などは閃光の悲劇の再来だと大騒ぎしていたものだ。その事件を聞いた翌日に私も見物に行った。自警団に阻まれた現場には昨日までは確かにあったはずの悪趣味な看板を掲げた建物は視界から消え失せていた。そしてその跡地はちらっと見えただけではあるが巨大なクレーターが出来ていた。事件当夜グレディ氏は商会内にいたそうだがあれでは生きてはいまい。良い噂は聞かなかったが死者の悪口まで書く必要は無いだろう。
 事件そのものはこの商会が魔法の道具を扱っていた事から管理していた魔導器が何らかの原因で暴走、結果敷地の消滅と社長のグレディ氏の死亡を招いたのだと発表されるだろう。商会の敷地以外に被害が及ばなかったのは不幸中の幸いである。
 しかし私はこの事件の取材の中で奇妙な証言をいくつか聞く事になった。それは閃光が発生する二時間ほど前の事だったそうだが、グレディ商会の方から何者かが争う音と鈴の音が聞こえてきたらしい。また、閃光の後に天使を目撃したと証言する住民にも出会った。これらの意味するところはなんなのだろうか?天使や鈴の音は単なる魔導器の暴走の副産物なのか、それとも何らかの意味があるのか。しばらくガウディはこの噂で持ちきりとなる事だろう。

私はこの事件についての記事を書き上げると窓の外を眺める。あの事件からもう三年近く経った。世界の情勢は代わり、表には出てきていないがガウディもより不安が満ちてきたようだった。だからこそ思う。
「店ごといろんな道具が吹っ飛んだのはもったいなかったなぁ」

傍観する記者:ミミザ=エールウィンド
文:レム睡眠


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