« 第六話(城・湖チーム) | メイン | 第七話(城・湖チーム) »

第六話(村チーム)

##################################################

**********【村 チーム】**********

---ANOTHER---

「あ…また呼んでる。」
タタタッと階段を駆け下りていく。
最近はあの子が来る事が多い、何でだろう
「お待たせ…ん?」
あの子とお話してる人がいる。
ううん、お話しようとしてる人がいる…。
何でだろう、いつもあの子は穏やかなはずなのに
あんな風に暖かい気持ちでお話してるはずなのに
それがとても不安になる。

・・・・・・・・
・・・・・
・・


寒空に月がぼんやりと浮かんでいる。
冷たい風が吹き、防寒具がなければ身を震わせることだろう。
そのような舞台にゼロは立っていた。

ゼロ:「・・・・あの霧を見ても・・心配にはならない・・。
・・・貴方は・・一体・・誰ですか・・・?」
<・・この気配は・・・・。>
(穏やかな気配を感じた方向に視線を投げかけ、
その位置に向けて再度精霊交信を行う)

交信を試みるエルフの精霊使い・・・
相手は姿が見えず、光も発しない。暗闇と話しているかのよう
しかし、心なしか気分が落ち着き、穏やかな気持ちになった。


ゼロ:「・・・この状態・・森の精霊達は・・不安や焦りを感じていると思います・・。
なのに・・貴方は・・これが不安には成らないのですね・・。
・・何を・・ご存じなのですか・・。
・・・この村や・・城・・そして・・
この周辺の精霊達を貴方と同じ様に・・
心穏やかにさせてあげる手助けが・・僕に・・出来ないでしょうか・・・?」
<・・・・・・・・何かを知っている・・?・・・・・あるいは・・。>
(相手からの反応を待ち、移動するようであればついて行こうと試みる)

十数秒、ゼロと精霊は互いに何も発することなく沈黙する。
ふと精霊は森の方へ、ゆっくりと気配を移していった。
ゼロも誘われるかのように森へと歩を進めていく。
白い靄がゼロの体を包み込み、遠くからではゼロの姿を目視することはできないだろう。

メルディア:<あれは?>
(外をのぞきニーディの様子をうかがおうとする)

森へ歩んでいくゼロを追いかけるニーディ。
そのような光景が視界に入った。

メルディア:「子供の後を追うなんて、ね」
(ニーディの所に移動しようとする)

部屋を出て階段を下っていくメルディア…
一階の暖炉部屋を通り過ぎる際、フィアと村長が対話しているのを見かけた。
外へ出る。
ニーディが暗闇の中へ入って行くのを見かける。
メルディアも後を追うように森の中へ入っていった。
心なしか冷たい風が森の方から吹いている…そう感じたかもしれない。

・・・・・・・・
・・・・・
・・・

フィア:「ヨトナの血・・・この村の始祖たる者しょうか・・・?
  調律師という知識と技を受け継ぎ、伝えてきた・・・。」
    (静かに呟き、落とした視線をふと村長に戻す)
    <長の娘が調律師?調律師の血筋と長の血筋とは・・・>
    「調律師ということばは初めて聞きましたが、この地の調律師は、
     昔から、この地の精霊を鎮め、この地を守ってきた、というお話でしたね。」

暖炉の薪がパキッと音を立てる。
火の粉が宙を舞い、くるりと円を描いて消えた。
頷く村長、フィアは続けて口を開く。

フィア:「・・・ということは・・・違っていたら申し訳ないのですけれど、
     今回の霧の原因となった精霊は、以前からあなた方にとって馴染みのある精霊ということですか?
     つまり、以前から湖かその周辺に住む精霊たちとヨトナ村の村人・・・もしくは、
     調律師の一族には浅からぬ関係があった。「ヨトナの血筋」と呼ばれる程ですからね。
     そして、前任の調律師の死によって何らかの均衡が破れた、と、考えられるのですが」
    <場所も近いし、「ユトナの血筋の者がこの霧を何とかできる」ことを知っていて
     ガウディのわたし達に依頼をする、というのもおかしい気がしますが・・・
     だとしたら、わたし達に期待されたことは一体なに?>
    (口元に指先を当て、考えながら言葉を紡ぐ)

村長:「そうかもしれぬ、そうでないかもしれぬ…
しかし、調律師が居ないからといって天変地異が起こるわけではないのじゃ。
この地は元より精霊の影が薄い大地…。
荒ぶる精霊を鎮めるということは、その荒ぶる程の力を力の乏しい精霊へ分け与えるということ、じゃからな。」

フィア:「調律師の行う精霊鎮めは、定期的な祀りや儀式のようなものなんでしょうか?
     ・・・前任の調律師が亡くなった事件について、詳しく教えていただけますか?
     獣に食われた、というのは単なる事故なのでしょうか?先ほどのお話では、
     調律師としての仕事の最中に命を落とされたように聞こえましたが・・・」
    (やや首をかしげ、こぼれた長い黒髪を指先で掬う)

村長:「儀式と言うほど仰々しいものではない。
森や山の麓を周り、精霊達の面倒を見てやることじゃ。
鎮める時は自然と精霊達を身に纏うことになるのじゃが
それが獣達を刺激することになるとはおもわなんだ。
己に力を持つ獣程、力ある者が近づくことによって縄張りを守る為に立ち上がる。
…後は、わかるじゃろう。」

フィア:「そうですか。
     どうやら、ヨトナのニーディの力を借りずには済ませられないようですね。
     この依頼におけるわたし達の役割は・・・おそらく・・・?」
    <原因の調査ももちろん入ってはいるだろうけれど、最終的には・・・>
    (途中で言葉を切り、その続きを眼前の相手に委ねる)

言葉が続かない。沈黙が二人の間を支配する。
そして沈黙を破る音

タタタタタタッと軽い足音が廊下を駆けていく。
数分後、ギッギッ…と違う足音が玄関の方へと過ぎていった。
足音が過ぎ去った後も村長は黙ったままである。

薪が爆ぜる、大きな音を立てた瞬間

Rill Yeg Asnh .

紡がれる言葉、フィアの目の前に爆ぜた火が渦を巻いて宙に浮いている。
例えるなら人魂、拳大の火球がゆらゆら揺れていた。

村長:「その精霊の後について行けばニーディの元に辿り着くじゃろう。
あの子は調律師…生まれついての、調律師じゃ。
わしらが何を言おうとも、何度止めようともこうして出て行ってしまう
…止められぬ。

……護ってやって、くれぬか。」

しゃがれた声が今にも泣きそうな程、細くなっていた。

##################################################
大人が決める事、村が護らなければならない。
その意思がニーディに伝わらず、無力さを痛感した村長が唱えた言葉
調律師へと導く炎がフィアへ託される。

精霊?に導かれるまま森、濃霧の中へ足を踏み入れるゼロとメルディア。
ニーディもまたゼロ…いや精霊を追うべく森へと進む。

千年都市ガウディに戻る

Copyright(C) RPGNET Japan. All Rights Reserved.
掲載情報の著作権は RPGNET Japan に帰属します。
Copyright(C) Heaven's Gate Project. All Rights Reserved.