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星詠の丘へ(第六話)

天聖暦1048年緑薫の月 東星霜宮内部

地下へ至る道を示す祭壇の前で、ヴァンとランディースの同行を得た一行。
一行はまず、侵入する前にランディースによる一括治癒を受ける。

どの魔法系統にもあてはまらず、せいぜい『神の奇跡』としか表現できない術だが、
アーキスは以前、似た場所で見た光景を思い出していたのかもしれない。

アーキス「・・・・ここでは・・・ということか・・・」
     <・・・・日時は関係なしか・・>

     (ランディースの詠唱に驚くこともなく、自身の魔力の感触を確かめる)

痛みや疲れも癒された一行は、改めて祭壇の入り口へ近づく。
そしてヴァン達のの道案内を頼りに、その暗い階段に足を踏み入れていった。

そこは長い階段で、硬質な壁と床も全て漆黒であり、ランタンの明かりすら心もとない。

クーガ:「光源が足りないなら増やすが?」
     (道具袋にぶら下げたランタン、ランタン油、火打石、火口箱と道具を取り出し)

一人が通れるくらいの幅の薄暗い階段でもあり、後方は全く光が無いといっていい。
クーガはランタンに火を灯し、最後尾のラサにそれを手渡す。

アーキス「・・・・・・・・・・・・」
     <・・・見たことあるような・・・無いような・・・どっちかも今じゃいまいち・・・>

     (遺跡の中に降り立てば、しばらくは遺跡の壁などを観察しつつ歩みを進める)

壁は水晶の様に磨かれた硬質の表面を持ち、光さえ吸い込むような漆黒を秘めている。

ヴァンとランディースは一行の中ほどを、ペースにあわせて歩いている。
素手でも術を詠唱したランディースはともかく、剣士らしいヴァンが素手では何となく心もとない。

クーガ:「急ぎつつ…素早く…ヴァン、剣がなければ、ショートソードを貸すが?」
     (腰にぶら下げた予備の剣を見せつつ)

マリア:「あ、なんならブロードソードもあるよ。それとも予備とか持ってる?」
    (自分の荷物にも予備の剣があることを伝える)

ヴァン:「いや、大丈夫だ」
    (軽く片手を挙げて首を振る)

どれだけ下ったか、遠く点のようになった入り口の光も絶えた頃、ようやく床に降り立つ。
目の前に新たな入り口が開いているが、その奥はすぐ闇に閉ざされ、行く手は定かではない。
ただ、その場に満ちるどこか冷たいが頬を撫でるのみである。

フィア:「・・・・・・。」
    <ネティアの深部・・・・>

    (密かに深呼吸をして、ローブの内で手のひらを握りしめる)

通路にはそこそこの広さがあり、やや変則的ながらもフォーメーションがとれる。
それを確認すると、ヴァンは行く手を指先で示しながら静かに言った。

ヴァン:「…まずは、道なりにまっすぐ」

壁と思えば道、道と思えば壁、漆黒の道をヴァンの言葉に従いゆっくりと進んでいく。
言葉に従い、とは言っても、ほとんどがまっすぐな道で、方針通り脇道は無視して進む。
脇道の先には、部屋と思われるもの、扉と思われるものがすぐ見えていたりする。

クーガ:「帰りに見ておかなとなぁ…」
     (部屋へと視線を移動しつつ、あとで寄る場所として記憶しておく)

右に、左に、まっすぐに…と進み、階段に至ればそれを下っていく。
距離感覚は随分前に失われたが、それだけにかなり奥に来ているという事が分かる。

アウゴ:「...隠し通路とかねぇの?逃げる時用...」
     (道案内に立つヴァンの隣へ行き、壁などをなでながら尋ねる)

ヴァン:「…あるが、今は使えない」
     (壁や周囲をざっと眺めて)

アウゴ:「...そう都合よくはいかねぇか...あちらさんの知らない仕掛けとかも?」
     (何か使える物が無いか、食い下がる)

ヴァン:「2層までならあるかもしれないが、最奥部に至れば意味は無いな…」
     (首を振って)

さらに進み、これまでにはない広い入り口に至って、ヴァンは一時足を止めて一行に声をかけた。

ヴァン:「ここが第2の―」

と、彼が言いかけた瞬間、周囲に異変が生じた。
黒い床、壁、天井が掻き消え、上下左右、視界の全てに星空が現出したのだ。

ランディース:「ヴァンっち…」

         (周囲に素早く視線を巡らせ、緊張した面持ちで見やる)

ランディースの小声に、ヴァンは頷きで応じる。

ヴァン:「…”起動”…第3の封印が…解かれた」

     (星に照らされてか否か、どこか蒼い顔色で呟く)


天聖暦1048年緑薫の月 東星霜宮第二層

まるで星空の只中に放り込まれたような錯覚を覚える光景だが、足に床の感触はある。
ふと気付けば、蒼く細い光がゆっくりと走り、床と壁の境界を示しているのだった。

マリア:「おお〜……。すごいね、これは…。」
    (普段夜空に見られる星の位置と同じようなものか、
     と星座などの有無を観察してみる。)

前後上下左右、全方位が星空なので、星座一つ探すにも苦労しそうだ。
だが、目立つ色の星などを見やれば、その付近にあるものは見慣れた星座だと知れる。

フィア:「・・・夜空の下にいるような気分ですね・・・」
    <古代への旅の記述では、確か、壁に取り付けられたでっぱりに扉のようなものが・・・>

    (わずかな灯りの中、カードを刺す事が出来そうな場所が無いか、気をつけて歩く)

ヴァン:「急ぐぞ、…まだしばらく歩かなくてはならない」
     (気を取り直したような声音で一行を急かす)

急ぎ足で先を案内しながら、ヴァンは一行に内部の事を説明する。

ヴァン:「ここは、八国戦国時代以前から三国時代の黎明期まで、星詠の民に祭事で使われていた場所だ。
     そして…神聖都市ネティアと同じく、今では伝説も残っていない、遥か昔の遺跡の上に建てられている。
     それが何故なのか、これが何なのかは、現代の我々には伝わっていない…
     いや、正確には大陸に散った”どの部族に伝えられているのか”が、伝わっていない」


フィア:「ネティアの遺跡が、何故、旧世界の遺跡の上に立てられているのか
     それは、貴方達も知らないんですか・・・。
     どの部族に、というのは、星詠の民の一部族ということですか?
     たとえば、ヴォンガ、アサジャ、ガウディの・・・というように。」
    <あるいは、星闇の民・・・なども・・・?>
 
    (臆したのか、遠慮がちに口を挟む)

ヴァン:「…そう思ってくれていい」
    (やや沈黙を前において応じる)

エリューズ教のひとつでありながら、その有する特異な性質に奇妙な感想を抱くのは、当然ともいえるだろう。

クーガ:「しかし、ネティアってのはわからんことだらけだな…
     政治的な干渉とか煩くないのか?」

     (ふと思った事に神官二人に告げてみる)

ヴァン:「神殿に関しては治外法権だからな…ネティアのみならず、エリューズ教全体にいえる事だが」
     (わからん事ならエリウスの方が上だろうとか言いつつ)

アーキス「・・・・・・そもそも・・・・ネティアの民が胡散臭いのだ・・・俺から言わせて見れば・・・・」
      (道中、しばらくヴァンの言葉を聞いていたがふと語りだす)

ランディース:「どういうこと?」
         (首を傾げて)

アーキス「・・・何故・・ネティアの祭壇が旧時代の遺跡の上に立てられるのか・・・・
      何故、ネティアが儀式を行う際に・・・・・・『森の魂』・・・そんな星とは関係の無さそうな
      物が使われるのか・・・・そこの扉にネティア文字が記されるのか・・・」

      (ヴァン・ランディースの様子は気にせず、だた2人に聞かせるように言葉を紡ぐ)

ランディースは内容が理解できない様子でヴァンを見やったが、ヴァンはただ静かに首を振った。

アーキス「・・・・大陸にちったどの部族・・・・・というのはネティアの氏族の中での話し?
      ・・・・碧の魂の時には胡散臭い連中が強奪していったが・・・・・
      オレはてっきり、伝え聞く星闇かとも思ったが・・・旧時代関係で知っている連中なら
      その可能性以外も出てくるわけだが?・・・・・」

      (何か思い当たる事はあるか?と2人に尋ねる)

ヴァン:「…神像に色を入れる手伝いをしてくれた者のようだな。リーナから話は聞いている。
     それには感謝するが…余り足を踏み入れない事だな。その力も目にしたのだろうに」

     (じっとアーキスを見てから、そう応じる)

クーガ:「そう言えば…アサジャとヴォンガに居るって言ったな?
     普通なら会う事もそうそう無いはずだが・・・随分と仲が良いんだな」

     (何所か生暖かい視線を二人、特にヴァンに送りつつ)

ヴァン:「…船を使えばそう遠くも無い」
    (顔ごと視線をそらしつつ)

フィア:「ランディースさんは、ネティアに使える神官・・・か何か、なんですね?
     あなたは、ヴァンさんとは仲がよいように見えますが・・・。
     ヴォンガやアサジャのように離れている処の星詠の民同士に交流があるんですか?」
    <・・・そういえば、彼女たちはいつ、どうやってここまで・・・?>

    (軽く首をかしげつつ、暗にリーナの事も示しながら問いかける)

ランディース:「えっとね、スクリーナやシーポートで会合があって、時々会うんだよ」
        (笑顔で応じる)

マリア:「あ、アサジャだったら私行った事あるよ? ソコのネティア神殿に居たの?」
    (ヴァンに尋ねる。)

ヴァン:「神殿というほど大きくは無いがな…聖堂といったところだ」
     (頷きながら応じる)

マリア:「…んでも、南のほうばっかりだね。もっと北のほうの友達は居ないの?」
    (軽く首をかしげてヴァンたちに尋ねる)

ヴァン:「…以前は居たさ」
    (小さく嘆息する)

クルセウドゥやガンディノにも聖堂や教会があるが、今は連絡がとれないという。

フィア:「貴方達が会った貴族、というのは貴方にとって知った顔でしたか?
     『生きた遺跡を殺す者』・・・サー=クリスティ=アスタロツで、
     間違いはないのでしょうか・・・?」

    (慎重に言葉を選び、声が響かないように気をつける)

ヴァン:「名前は知らん。…だが、お前達が知っているというのならそうなんだろう」
     (軽く首を振りながら)

フィア:「何とか、無事に戻りましょう。
     『貴族』と戦いをする気は、わたしたちにもありません。」

    (微笑みを湛え、仲間を見回してから前に向き直る)

ヴァン達と会話を交わしながら、一行は星空の只中を先へ先へと急ぐ。
ここにも幾つかの脇道と扉、部屋などがあるようで、それを見ながらヴァンは言う。

ヴァン:「…お前達の求めるものが、この遺跡の宝物なら、この辺りの層を探るのが一番だろう」
     (扉などを示しつつ)

アウゴ:「お宝はこの辺ね...」
     (ヴァンの言葉を耳に留め、さっと周囲を見渡し、目印となる粘土玉を壁に貼り付ける)

ヴァン:「別の星霜宮の最奥部には、今では使い方の分からない器具の置いてある部屋が一つあっただけだ…
     恐らく、ここも同じだろう。心臓部ではあるが、あえて命を賭して赴く場所でもあるまい…
     お前達の本当の目的は…!」

     (唐突に言葉を止め)

ラサ:「私たちの目的…それは旧世界を識ること。識った上で私は『立ち向かう』。それが私の『道』だから」
   (ヴァンの問いかけに答えるも、視線は常に目の前に)

ヴァンは次の言葉を飲み込むと、細く口を開けた入り口に視線を向けた。
星の光はそこで途切れ、自然の光でも魔法の光でもない、奇妙な光が奥で明滅していた…


天聖暦1048年緑薫の月 東星霜宮最奥部

そこは広く、またこれまでの通路とは違って星らしきものはひとつも感じられず、
奇妙に無機質で奇妙に清浄な暗い空間で、四角く切り取った光があちこちに張り付いている。

部屋のあちこちにある四角に切り取られた光は、時には風景のようになり、
時には見たことも無い文字を高速で並べたり、明滅したりと様々な表情を見せていた。

マリア:「ほぇ……すごいわ。」
    (風景のようなものを見て、見覚えのある景色が無いかと観察してみる。)

マリアに続いて一行が部屋に踏み入ると、不意に耳障りな音と赤い光が部屋内に明滅する。

???:『コウション。汚染レベル1。危険レベル3。第六市民ノ侵入ヲ認ム。至急…』

実に部屋に相応しい無機質な何ともいえない声がしたかと思うと、急に光共々やむ。

マリア:「………っと…何?」
    (何処からの声かとまわりをきょろきょろとし)

ラサ:「……ここが……何これ。四角…え、何?市民?」
    (市民って何?と首を傾げるも、一番奥にいる少女の姿を目に止め)

アーキス「・・・・・・・ここは・・・・・・・・っ!?」
     <・・・・第6市民・・・・>

      (不思議な光景に目が行くが、すぐに鳴り響く警報に周囲を警戒)

クーガ:「第6市民…考えてみれば飾った名だよな…」
    <この二人も『第6』なのか?>

     (鳴り響く警報に苦笑いしつつ、二人の神官をチラリと見る)

二人の神官も、一行と同じような表情を浮かべて周囲を見回している。

フィア:「・・・第六市民・・・?」
    (やや首を傾げて、疑問の意味を込める)

クーガ:「当時の詳しい政治様式なんかは知らんが、階級社会であった事は知っている。

     俺らの祖先は『第6市民』らしい…もちろん第6と言うからには、第5や第4
     などが居るのだが・・・それが精霊種やら、貴族やら、竜種の事だそうだ。

     それで…順位はよく分からんが、『第6』ってのは、奴隷とかと同等だったらしな。
     まぁ、『第6市民』など飾らずに『家畜』だの『奴隷』だの素直に言ったらどうかね?
     お偉いさんに罪の意識でも有ったのか?最近では『咎人』って名称らしいが・・・
     何所かで聞いた名だと思わないか?ヘブンズゲートの伝承とかな…」
    <しかし、歴史の欠片だけ知った所で真相には程遠いんだろうなぁ…>

     (何所か不機嫌に答える)

その時の動きで初めて、一行は部屋の一番奥、椅子に何者かが掛けている事が知れる。
周囲の不思議な光に照らされたそのシルエットは、少女のようだが…

フィア:「・・・・だれ・・・?」
    (瞳を細めて、不思議な空間を見やり、映し出される映像と、何よりもその操り手に疑問の視線を向ける)

アーキス「・・・・とりあえず・・・その場に・・・・」
     (ちらっとヴァンとランディースに視線を向け、それだけを告げる)

クーガ:「さて、出し抜くってのは無理だったが…なに、まだまだ」
    <此処からが境界線ってところか…>

     (椅子に腰かけた少女の姿に小さく呟き自己暗示)

彼女はしばらく空中に指を動かし、その動きにつれて光る小さな板を触っている様子だ。

クーガ:「五月蠅いのを止めてくれて助かるよ、すまんがそちらへ近づいても良いかな?
     戦う気は全く無い。少々話がしたくてね。」

     (少女にの方へ告げて、一歩踏み出し、止める気配がなければそのまま近づいて行く)

少女:「…どうぞ」

少女はクーガに玲瓏とした声で応じると、手を止め、静かに立ち上がった様子である。

クーガ:「『咎人の剣士』クーガ=アディール、クーガと呼んでくれば良い。
     御嬢さんの名をうかがいたい」
    <彼女の動きを知覚出来なければ…>

    (冷や汗を垂らしつつ、意図的に『咎人』を強調しつつ、自己紹介)

クリス:「私の名はサー=クリスティ=アスタロツ。あなた方が『貴族』と呼ぶものです」
     (澱みなく応じる)

相変わらずそれは薄い影のようにしか見えないが、鮮やかな紅い瞳だけが人工光に映えているようである。

マリア:「……あ、あれが…。」
    (話に出ていた貴族の姿に、ふむ、と頷いて眺めている。)

フィア:「・・・・・・・・。」
    <クリスさん・・・何年も経っているし、忘れられている事を願います・・・>

    (他にも顔見知りがいるらしいことに少し驚きつつ、さりげなく前衛の影に半身を隠して)

アーキス「・・・・・・・・・・・・」
     <・・・次に会うのは・・竪琴を終らせてからの方が・・・格好がついたのだけれど・・・>

     (貴族の少女と、クーガのやりとりをしばし眺め)

アウゴ:「...」
     (黙ってパーティの最後尾に引っ込み、会話の進展を観察する)

フィア:「・・・・・・。」
    (問いを発しかけるが、他の仲間にまかせ、何気ない風でクリスティの表情を見守る)

まずは、クーガが『貴族』の少女に相対する。

クーガ:「大昔の図書館が此処にあるとは聞いたが・・・コレが?」
    <全然…意味がわからん…>

     (彼女に声をかけつつ、彼女の触れているモノ、移っているモノを眺めていく)

クリス:「…図書館としての役目もあります」
    (微妙な表現で応じて)

クーガ:「世界を知らず、歴史を知らず、未来も見えない、何も知らない…しかし
     無知ゆえに脅え留まる事を知らずに、先見えぬ1歩を進む
     どうせバカならそんなバカが良い。故に覚悟決めて此処まで来た。」

     (交渉を始める前の前ふりとして自分の目的を告げる)  

クリス:「…」
    (わずかに髪を揺らして)

クーガ:「そうやって旅を続けるうちに大昔のビジョンを多少だか見た事があってね…

     『第6市民』とか『咎人』とか『上位種』とかその辺は漠然とだが知っている。
     でも肝心な部分は全く知らなくてね・・・戦争の理由は?
     止める方法は?人類種が生き残る術は?英雄を不要とするには?
     ヒントでも知識の欠片でも此処ならあるのでは?と聞いて来た」

    (静かに彼女に告げて)

クリス:「…貴方と、良く似た人を知っています」
    (表情は窺い知れないが、やや鎮まった口調となり)

『貴族』はしばらく沈黙していたが、やがて言葉を発した。

クリス:「貴方が、絶望してしまわない事を願います」
     (先程と同じ静かな口調で)

クーガ:「貴方の目的が『この遺跡を殺す』のであれば止める気はない。
     もし貴方の目的が急ぐ理由が無いのなら少しの間、見させてもらいたいのだが?」

     (彼女の様子を注視しながら提案)

クリス:「…どうぞ」
    (わずかに髪が揺れる)

クリスの言葉に、幾人かが動き始める。

クーガ:「あ〜解るか?」
    <将来的に古代語読めるぐらいはなるべきなのかね?>
    (魔術師の二人、ネティア神官の二人に移っているモノに関して聞いてみる)

ランディース:「さっぱり読めないよ、これ」
        (文字を見て一瞬で首を振り)

マリア:「さっきはまた、空でも飛んでるようなカンジだったしねぇ。
     空飛ぶ方法でも書いてあるのかな。」

    (読めやしない文字が出てくる映像を眺めてぶつぶつ)

フィア:「・・・・古代語では、ない・・・ですね・・・?」
    (誰にともなく、画面に流れる文字を目で追いながら呟く)

ヴァン:「…ああ、古代文字ですらない。ネティアの地下にあった文字と同じようだが…俺には分からん」
    (光の中に生じる文字に視線をやりながら、首を振る)

マリア:「………。」
    (この部屋に、棚とか机とか椅子、扉といった自分たちにも
     見覚えのあるものがないかと部屋の中を眺め回す。)

長い机に椅子が並び、そこから光る四角のものが見えるように張り付いているようだ。
それと同じような机が、正面の通路の左右に5本ほど延びているのが分かる。
奥にも別の机などが見えるが、棚や扉などは見える範囲には見当たらない。

フィア:「・・・・・・・。」
    <この部屋が、生きている遺跡の再奥部・・・?
     カードが使えるとしたらどこ、でしょうか・・・>

    (周囲を見回して、カードの大きさに合うような受け入れ口がどこかにないか、さりげなく探す)

入念に探せばあるのかもしれないが、何しろ光が不足しているので実に見つけにくい。
ランタンか何かを思い切り近づけるなどして調べなければ、発見は難しいだろう。

アーキス「・・・・第六市民・・・はるか昔の時代・・・五匹の竜と五人の人間が化け物と戦った時代・・・
      精霊種の王はその時代のことを・・・・・
      ・・・・記憶が薄れあやふやになっている・・・不思議なことこの上ないと・・・・」

      (クーガの言葉が終わりを迎えれば言葉を紡ぎながら、貴族の少女に近づいていく)

クリス:「…」
    (視線をアーキスに転じた様子)

アーキス「・・・・そして・・・あの時の貴方の言葉・・・・・・貴族種は精霊種より遥かに上と聞くが・・・
      あなたは・・・微妙に夜の眷属の中では・・・違う気がする・・・・
      昔の時代のことを・・・『知っている』のか・・それとも『覚えているのか』・・・・」

     (語っているのか質問しているのか、聞くものによってはどちらにも取れそうな口調で言葉を紡ぎ)

少女の姿をした『貴族』は、その場で静かに佇んでいる。

アーキス「・・・・ネティアの祭壇の下に・・古き時代の遺跡がある・・・
      『森の魂』・・のような関係無さそうな物にも・・ネティアはなぜか関係がある・・・・・・・
      ・・・ネティアと呼ばれる神達は・・・・かつて第2市民とかそんな感じで呼ばれていた者たち・・・
      今のネティアの一族はその神から昔、その時の知識を伝え聞いた・・・・・
      これはオレの推測・・・・・・・。
      ・・・・古き時代の遺産・・・壊さなければいけない理由があるのだろうか?
      ・・・そして・・・此処に俺の求める物の何かがあるのだろうか?」

      (十分に近づけば足を止め、以前に自分が質問に答えた物に関係するものがあるのか?
       自分の質問と推測は正しいのだろうか?と視線を向ける)

クリス:「ここで私が『正しい』と言っても、『間違っている』と言っても、
     それを確かめる術が無い以上、意味がないのではないでしょうか。
     例え、貴方の求めるものが此処にあったとしても…です」

     (静かな口調は変わらず)

それは「知識」だろうか。しかし、それがこの「文字」の中にあるとすれば、確かに知りようは無いだろう。
一時視線を移したようで、それを戻した時に『貴族』ははっきりとアーキスに告げた。

クリス:「…ですが、ネティアへの推測は『間違っている』と言っておきます。
     貴方は、他にも穿った事は言っています…それ故に、訂正しておきます」


最後に、ラサが最後尾から姿を現す。

ラサ:「…また、貴女か、サー=クリスティー=アスタロツ伯爵令嬢…今度は一体何をするつもり?
    ネティアの民の祭事に使われる遺跡を『殺す』というのは何故…イリオーンの徒して、
    私は貴女に問いたい。貴女は無意味なことはしない。貴女のすることには全て明確な
    意思が感じられる。時にはそれが慈悲に感じたりもする…」

   (最後尾から歩を出して、姿を完全にさらしてから言う)

先程アーキスも述べたが、彼女と同じ疑問を感じた者は多いだろう。

クーガ:「なぁ…遺跡を封じる事で何がしたいんだ?」
    (ふと、貴族の彼女を見て)

フィア:「・・・何故、何のために遺跡を殺して回るのか・・・
     それを教えてもらう訳にはいきませんか・・・?」

    (肩を上下させ、抑えた声音で問いを返す)

クリス:「…『記憶』する為に、です」
    (全ての問いの後、静かにそう答える)

ラサ:「そして、あの『貴族狩り』…カッツァーを殺してはいなかったよう…あのヒトは今どこ。
    彼の折れた剣を返さなければならない。あのヒトの意思は折れた剣のように
    簡単に折れたりはしない。この剣と同じように何度でも甦る…その言葉を伝えたい。
    あの黒い獣の従者ならば、常に貴女の側にいるのでしょう」

    (ちゃっと腰元に下げたホルダーから貴族狩りの剣をはずして、彼女に見せる)

すると、その声に応じたように、少女の背後から黒い闇を切り取ったかのような獣が姿を現す。

シュヴァルツ:「…彼の者ならば、汝らがアサジャと呼ぶ街に置いてきた。
         すぐに意識を取り戻し、自らの足で神殿に立ち去っていった様子であった」

         (ラサの問いにそう答える)

ヴァン:「…『貴族狩り』…カッツァー=ルシト=バウアーか」
     (思い出したかのように呟く)

奇妙な事に、一行が威圧感とでもいうべきものを感じるのは、この獣からの方が強いのではないだろうか。
少女は『貴族』というにしてはとても自然で、そこに立っているのが人、といわれても違和感は覚えないだろう。

ラサ:「こうして、貴女との縁が繋がったのも二度目…これから、貴女と出逢う度に私は
    貴女に問わなければならないのか…何故、と。私は貴女を識りたい。
    まだ私は貴女が強く、優しい人だということ以外何も知らないんだ」

   (目の前に立つ少女の姿と、その身に秘めた凄絶な身体能力を頭の中で交差させながら)

クリス:「…私は、あなた方の言うように気まぐれな存在でしかありません。
     ラサグリス=タブラルビオ。私は、あなた方の敵ではありませんが、味方でもありません。
     …それだけは、識っておいて下さい。力をふるうとき、躊躇いはないと」

     (静かに告げる)

そして、少女は再び空中に指を差し伸べる。
指の動きに従って小さな光が明滅し、次の瞬間、天井から降り注ぐ人工の光が室内を照らし出す。

改めて、一行はその魔的な美貌を備えた『貴族』と、漆黒の毛並みもつ魔獣の姿を目にした事だろう。
そして、彼女が片手に提げる、蛇の巻き付いた模様もつ、血のように紅い大剣の姿も。

クリス:「あなた方がここへ真っ直ぐに赴いた理由…星詠の者達がいましたから、
     私を討つつもりかと思いましたが…どうやら違うようですね。
     …お聞かせ願えますか?フィアード=ルクス=カ・ザ」

     (きっぱりとした声で問いかける)

いつの間にか、その鮮やかな紅い瞳が自分に向けられている事に、フィアは気付いただろう…

投稿期日:5月1日まで
最大アクション数:制限なし
必須(リーダーのみ):探索方針
(後述)

現在の一行のHP・MP状況
アーキスアウゴクーガフィアマリアラサ
HP/MAX70/7040/40100/10070/7075/7560/60
MP/MAX110/11035/3530/30110/11030/3030/30
『貴族』との会話は、やはりいつでも戦闘となる剣呑な気配をはらんでいます。
今回では特に、応答に注意する必要がある者もいるでしょう。
戦闘となった場合は、前回の方針に従って処理します。

『貴族』は会話あるいは行動の後、遺跡を本格的に封じる作業に移ります。
まず天井の光が消え、次いで部屋の四角の光がひとつずつ消えていき、
最後に椅子付近の光が消えて、『貴族』と獣は姿を消します。

最奥部から出ると、星の光はまだ生きていますが、時が経つにつれ弱まって行きます。
光が完全に消えると、部屋の扉などは岩でふさがれた如く、全く開かなくなります。
ゆえに、帰りに探索する場合、パーティは限られた時間の中でそれを行う必要があります。

ヴァンは出た直後の光の様子を見て、「せいぜいもって半日(6時間)だろう」と告げます。
なお、帰りの通路でふさがる扉はありませんので、外へはいつでも出られます。

リーダーは、主な探索場所と探索にかける時間を方針として明記しておいて下さい。
どういった場所を優先するか、避ける場合の条件は、などもあれば有利となります。
また、それぞれの階層への移動時間は1時間程度と思ってください。

現在位置は第二層出口です。第一層へは1時間、最奥部へはすぐいけます。

探索場所:主に使われた時代
第一層:八国戦国時代後期〜三国時代黎明期
第二層:八国戦国時代以前〜八国戦国時代隆盛期
最奥部:???

ヴァンによれば、ガーディアンや罠なども仕掛けられている可能性があるとの事です。
扉は、生きている間は近づくと自動で開きますので、調査の必要はありません。
主に室内や、置かれた物品などが危険だとの事です。

『貴族』と戦闘になった場合のアクションは、前回分のものを使用します。
ガーディアンなどの戦闘で新たに加えたいものがある場合は、記入されても構いません。

期日となるか、全員のアクションメールが揃い次第更新します。

メールの送り先gmml@tmohgw.twinstar.jp
メールの件名:「星詠の丘へ」

その他、質問がありましたらこちらまでお寄せ下さい。


GM:ここなっつ
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