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遺跡調査

遺跡調査(第一話)

天聖暦1047年 天静の月 大陸北西部

その日、ガウディの住人は「大地の揺れ」を感じた。
といっても、静かな場所に居た者か、感覚が鋭敏な者しか感じ取れない程のものである。
この地方で地震が起こる事は少ない為、市民達の話題提供にはなっただろう。
「そこ」から遠く離れた千年都市では、せいぜいその程度に過ぎなかった。

だが、「そこ」では明らかな異変が起こっていた。
大きな地震の後、何も無い筈の場所に、ありうべからざるものが出現したのだ。
それを初めて発見した近くの村人は、最初誰にもその事を告げなかった。
その光景が余りにも非現実的すぎて、自分は幻を見たのだと思い込んでいたのである。
「そこ」―いつも彼らが漁をしている湖の中ほどに今、「城」がそびえていた。

その城は、不思議な事に見え隠れして実像が少しも安定していなかった。
村人達は不気味がって、もう誰もその湖には近寄らなくなっていた。
ただ、その噂だけが各地に広がっていった。
曰く、亡国の城の幻であると。
曰く、『夜の貴族』の居城であると。
曰く、湖の妖精の城であると。
根も葉もない噂に尾ひれがついて、それは千年都市にも伝わり始めた。

「ガウディ北東1000km辺りにある湖に、城の遺跡がある―」
余計な情報を排除すれば、上記のような一文にまとめられるだろう。
冒険者ギルドは城の形をしたこの遺跡に関して、調査の実施を決定した。
城は本当にそこに実在するのか?実在するなら立ち入り出来るのか?その内部は?
そもそも何故それはここに存在するのか?等々、調べる事は山積している。

―そして「旧冒険者ギルド」にも、その指示は下された。

依頼内容:城の遺跡の調査
依頼者:冒険者ギルド
場所:ガウディ北東1000km地点、エイラ湖
報酬:基本30S、+報告内容による
募集期間:天静の月いっぱい
募集定員:なし
追記:なお、行き来の馬車と食事代はギルドが負担する。
    城の遺跡の調査内容次第では追加報酬あり

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遺跡調査(第二話)

『眠れ』

『眠った』

『眠れ眠れ』

『眠っている』

・・・

・・



『眠っている』

『・・・』

『眠っていた』

『・・・』

『目覚める』

『・・・』

『目覚め、た』

天聖暦1047年 天静の月 記憶亭

城遺跡への出発を控えたある日、エルディアスは冒険者の酒場『記憶亭』を訪れていた。

エル:「どもども。えっと、日持ちの良い干し肉とかある?燻製した奴とかもあるといいんだけど…。
    更に注文すると調味料濃い目で…。うん、5食分ぐらい。後、これにウヰスキーを入れてくれる?」

    (酒袋を手渡し、硬貨袋を取り出して必要な金額を渡す)

親父:「猪肉を燻製にしたものがありますよ。では、濃いものを包んでおきますね。ご出発ですか?」
    (酒袋に酒を詰め、肉を包んだものと一緒に手渡す)

エル:「うん、そうそう。ギルドにあったエイラ湖の調査に行ってくるんだけどね?
    味が濃いと少量でもなんとかなるかな、と思ってねー。
    …ここの評判を上げれるように気張ってくるよ。じゃ、ありがとー。」

    (食料と酒を受け取り、酒場を後にする)

親父:「何しろお気をつけて。無理なさらず、無事にお帰り下さい」
    (穏やかに見送る)


天聖暦1047年 天静の月 商店街

商店街にも、遠出の準備をする冒険者達の姿がある。

アーキス「・・・えっと・・保存食・・5日分ほど・・・後、にんじんあったらにんじん・・・2・3本ほど」
      (店先で注文、硬貨を取り出しつつ)

店主:「ほい、お待たせ。保存食5日分に人参3本」
    (包んで手渡す)

アーキス「・・・・さて」
     (商品を荷物に摘め、冒険者ギルドへと)

マルロ:「んー、保存食もうちょっと買っておこうかしら……保存食を四日分おねがい」
     (保存食を手にとり考えていたが、結局、購入)


店主:「ほい、保存食4日分まいど。」
    (包んで手渡す)


天聖暦1047年 天静の月 旧冒険者ギルド


そして出発前日。依頼を受け、共に旅立つ冒険者達はギルド前に集合していた。

マルロ:「うー、さむ……」
     (白い吐息をはきはき、尻尾をゆらゆら。旧冒険者ギルドの前に現れる
      防寒着を着込んだ黒髪しっぽ頭の少女)


アーキス「・・・うい・・・おはようおはよう・・・」
     (旧冒険者ギルドで皆と合流)

エル:「や!良い旅日和だねー!改めて、前衛張るエルディアスっす。
    獲物はコレとコレとコレ。今回は宜しくねー。」
    
(改めて自己紹介。背、腰と獲物を指差しながらニッと一つ笑む)

ゼロ:「・・皆さん、改めまして。・・ゼロです・・よろしくお願いいたします。」
   
(ぎゅっと茶色の帽子の端を握り、会釈した後、見知らぬメンバーにも会釈し自己紹介&微笑)

すでに、マルロが武器塾でスカウトしてきた探索者も到着していた。
身軽そうな格好の細身の女性で、歳は20代半ばといった所だろう。
身に着けているものの幾つかは、市販品ではないようだ。

フェス:「初めまして。フェシーヌ=アラウドよ。気軽にフェスと呼んでちょうだいね」
    (一礼する)

マルロ:「フェスさん、あらためてよろしくお願いします」
     (めずらしく素直に、笑顔で頭を下げている尻尾頭)


フェス:「よろしくね、お嬢ちゃん」
    (にっこりとして)

エル:「ども、フェスさんっすね?いやー、マルロからすげー良い人だ良い人だーと話は伺ってますよ?
    今後とも宜しくお願いしますねー。」

    (嬉しそうに笑み、握手を求めて手を差し出し)

フェス:「あら、マルロちゃんっていうの?やっと名前が分かったわ」
    (握手に応じると、マルロの方を見て笑む)

一通り挨拶が済むと、一行は依頼の受領に向かう。

アーキス「・・・そいじゃ・・さくっと済ませてしまおう」
      (旧冒険者ギルドの受付へと)

マルロ:「さて、さっさと中に入って登録しましょうよ……ここ、寒いわ」
     (仲間が全員そろったのを見ると、みんなをせかし、自分はさっさと中へ)


ゼロ:「・・再びココ・・・ですね・・。」
    (茶色い帽子を被り直し、建物を見上げると中へ)

エル:<…さて、と。とりあえず現地次第かなー。分からないことだらけだけど。…なんとか…なるかなぁ…。>
   (多少不安を覚えた表情で旧冒険者ギルドの扉を開ける)

ギルドの中は、大きな依頼があるというのに相変わらず静かで人気がない。
カウンターの所に、いつものよう初老の受付が座っているだけである。

ラサ:(紺色の襤褸外套の上から防寒具を纏った少女が入ってくる)
    「やあ、こんにちわ。あの張り紙にあった遺跡調査の受領に来たのだけれど…」

受付:「ああ、遺跡調査だな。そのメンバーで行くのか?」
    (書きかけの書類から顔を上げて)

ゼロ:「・・記憶亭で・・ご一緒させて頂くメンバーを 見つけましたので・・えぇ・・一人ではありません。
     ・・メンバーは・・ラサ、マルロ、エル、アーキス、それから 探索者のフェスさん・・この5人です・・。」

    (嬉しそうに受け付けにメンバーを挙げ、牙を継ぐ者だとか不屈の蒼 だとか付け加え)

ラサ:「うん、メンバーは私と…えーと名前だけでいいのかな。アーキス、マルロ、ゼロ、エル…
    んで、最後に探索者のフェスっていう人の6人。ちょっと大所帯だけど」

   (指折り数えて)

マルロ:「私、マルロ=ライブレッド。ラサって娘たちと一緒に遺跡の調査にいくんだけど…」
     (受付で依頼の受領を申請)


アーキス「・・アーキス・・ここの皆と遺跡の仕事請けるから・・・・」

受付:「6人だな・・・よし。じゃあ、よろしく頼むぞ。馬車乗り場に行けば分かるようにしておくからな」
    (登録用紙に記入を済ませて)

ラサ:「…確かに、受領した。ああ、そうだ。食事代と馬車は冒険者ギルドが負担してくれると
    いうことだけど、これは買った保存食の代金を負担てこと?それとも支給?」

   (もし、支給だったら、買っていかないとなぁ・・・とか思っている)

ゼロ:「・・・・あ。皆さんも心配されていたのですが・・ ・・道中の食事は・・
    ギルドで準備して頂けるのですよね?・・食事代、とあったので、現物ではないかも、と・・。」

   (苦笑気味に張り紙に視線を送ると相手にちょっと不安げな表情で)

受付:「馬車に必要分の保存食を積載するって事だ。途中で宿場町もあるから、
    そこでの飲食宿泊代はギルドが後でまとめて払う事になってる」


ゼロ:「・・あぁ、良かったです・・。・・一応保存食は持って行こうと思っていますが・・
    ずっと・・では、流石に厳しいですよね?」

   (相手に同意を求め、にっこりと安堵の表情)

受付:「さすがに三週間も馬車内じゃやってられんだろうしな」

ラサ:「うん、ありがと。そういやさ、エイラ湖の近くの村ってどんなところ?知ってる?」
   (あ、そうだ、と思い出したように振り返って)

受付:「話では、開けてない鄙びた村で、冒険者が利用できるような施設は特にないらしい。
    村での買い物や、宿泊は期待できないだろうな」

    (資料を開いてみながら)

ラサ:「そっか。それじゃ、がんばって稼ぎますかー旅費のために!」
   (言いながら軽く頭を下げて去っていく)

受付:「ああ、気をつけて行ってこいよ」
    (見送ると、書類作業に戻る)


天聖暦1047年 天静の月 馬車乗り場

翌日早朝、出発の時刻。一行の姿は馬車乗り場にあった。
もっとも、順調に集まっているというわけでもなさそうだ。

ラサ:「うあ、寝坊したーごめんごめん」
   (ずた袋に入れた荷物をガサゴソならしながら橋って馬車乗り場にやってくる)

その後から、もう一人の影が駆けつけてくる。

ゼロ:「・・あ・・お待たせしました?・・すみません。久々の遺跡調査なもので・・。
    ワクワクしてしまい、なかなか寝付けませんでしたが・・朝方に・・ウトウトしたら・・
    時間ギリギリに 目が覚めまして・・。」

   (言い訳を並べながら、背負い袋などをガチャガチャさせて急ぎ足で)

ラサ:「大丈夫、大丈夫。間に合ったから。てわけで、みんな揃っている?
    私より遅かった人は、道中私の肩を揉め!」

   (とか、言いながら一緒に行くメンバーを見回す)

どうやら、全員揃っているようだ。
そうしている内に、一人の御者が近づいてきて、ギルド御用達馬車まで一行を案内する。
一応全員の名前を確認し、いよいよ乗車ということになった。
馬車は6人乗りで、2頭立てである。質もまあ、中の上くらいはあるだろう。

エル:<さてさて。まさかこの段階では何もないよな?………。>
   
(馬車に乗り込む際、自分達へと視線や殺気を向けている者が居ないか神経を一度尖らせる)

特にそれらしいものは感じられなかった。

アーキス「・・・・・馬車・・これ?・・・・」
      (荷物を放り込み、のそのそと馬車に乗り込む)

ラサ:「さて、サクッと馬車に乗り込もうか…やだなぁ…お尻痛くなるのー」
   (以前の旅のことを思い出して、うんざりしたような表情になりつつも馬車に乗り込もうとする)

エル:「お、そうだそうだ、毛布敷いて、と。よし、これで完璧!」
   (がさがさと袋から毛布を取り出し、畳んで畳んで座る位置を確保。毛布の上に座る。)

マルロ:「道中何事もないといいわよね」
     (ちょっと不吉なことをいいながら、馬車に乗り込む)

 
ゼロ:「・・向こうに着くまでには・・かなり時間がありそうですね。
    お互いに・・調べた事など・・整理し合うのも・・良いかもです・・。
    ・・一体・・どんな精霊が居るんでしょうねぇ・・。」

   (思案顔のあとにっこりとメンバーに向かって話しながら 馬車に乗り込む。とても楽観的な様子)

一行を乗せた馬車はゆっくりと走り出し、やがて市門の外へ消えていった・・・

遺跡調査(第三話)

黒い獣を伴った少女は、巨大な扉を背にして、広い空間をその紅い瞳に写していた。
高い所につけられた窓から、月光が眩く差し込み、その空間を淡く照らしている。

『…では主、行ってまいります』

獣は静かな声で脇に佇む少女に告げた。
少女は獣に向き直り、その首に両手を回すと、耳元で紅唇を動かして命じる。

「…必ず還ってくるのよ」

『仰せのままに、我が主よ』


獣は少女が腕を解くと身を転じて、奥にうっすらと見える階段に向かって歩き始めた。
少女はその姿が闇に溶ける様に消えたのを見届けると、自らも身を転じて歩き始める。

幾つかの階段、幾つかの廊下を抜け、少女はひとつの扉の前で立ち止まった。
自然と鍵の部分は金属的な音を響かせ、扉は軋んだ音を立てて両側に開いていく。
―そこは、応接室の様だった。
部屋の中央に向かい合うように古い時代の刺繍が施されたソファが並べられており、
壁には幾つかの調度品があり、湖に向けて付けられた大窓からは月光が蒼く差しこんでいた。

「…卿か?私を呼んでいたのは」

ソファの前まで歩き、視線を転じた先に備えられた一揃いの甲冑に向けて、少女は言った。
そこに居る何者かが彼女だけに声を発しており、そして少女はそれに応えているに違いなかった。

「…成る程。早々にも、この城は蹂躙されるだろう…その前に、」

「…存分に語るがいい、気高き騎士の魂よ。夜は永い…」


少女は闇色のマントを翻すと、甲冑に向かい合う様に、ソファに静かに腰を下ろした。

窓の外では、湖が月光を照らして蒼く静かに揺れている。
その周囲に点々と灯る人工的な赤い炎は、城を攻め落とさんとする兵のものにも似ていた…

天聖暦1047年 天静の月 商店街

商店街では、遺跡調査の準備に勤しむ冒険者の姿があった。

ナーク:「すみませーん。えっと・・・。防寒具一つと、保存食3つ、陶器の小瓶3つ、
     小袋3つに水袋一つください〜」

     (店主に向かうと必要な道具を伝えて代金をカウンターに置く)

店主:「はい、これね。まいど」
    (物品をつつんで手渡す)

ナーク:「ありがとねー。今から久しぶりの冒険だぁ!!」
    (買った道具を袋の中にしまうと元気よく外に出る)

店主:「お、気をつけて行ってきなよ」
   (見送る)

天聖暦1047年 天静の月 魔術学院

出発前日、ブラムは魔術学院に向かっていた。

ブラム:「ハインツさんに伝えておかなきゃ!」
     (夕飯の為に作りこんだサンドイッチの紙包みを持参し魔術学院へ向かう)

学院の中に入ると、先日の受付がおり、ブラムに挨拶の声をかけてくる。

ブラム:「こんにちわ、ブラムですっ!ハインツ=シェルゼンさんって人に、遺跡のことで
     伝えたい事があるんですけど、伝言とオミヤゲ渡してもらってもいいですかっ?」

     (受付へ行き、ハインツがいるかどうかを尋ねる)

受付:「はい、ハインツ=シェルゼンにですね。承りますよ」

ブラム:「えっと…出発は明日15日の明け方になったので、日が昇り始めたくらいに
     学院の前まで迎えに来る…って伝えてください!」

     (紙に包まれたサンドイッチと伝言を預け、その場を立ち去る)

受付:「では、その様に伝えておきますね」
    (紙包みを受け取ると、頷いて見送る)

―明けて早朝、ブラムの姿は再び学院の前にあった。

ブラム:「やっぱり早起きは気持ちがいいねっ!」
    (深呼吸をしながら、サンドイッチの束と荷物を背負い学院へ向かう)

学院の前でしばらく待つと、旅装姿のハインツが門から出てきた。

ブラム:「ハインツさん、おはよう!ごはんは食べれた?」
     (学院前をうろうろしながら、ハインツの姿を見かければ声をかける)

ハインツ:「よおブラム、昨日は差し入れありがとな。美味かったぜ」

軽く片手を挙げると、ハインツは行く途中に買っていくつもりだと告げる。

ブラム:「まずはギルド前で待ち合わせなの。昨日と同じのだけど食べる?」
     (旧冒険者ギルドに向かいながら、朝食用サンドイッチをパクついて)

ハインツ:「そりゃありがてえ。んじゃ、貰おうかな」

二人はギルドに向かって歩いていった。


天聖暦1047年 天静の月 旧冒険者ギルド


出発当日早朝、陽もまだ完全に姿を現していない頃、ギルド前に一人の女性が歩いてきた。

マリア:「ん...。朝って言ってもちょっと早すぎたかな? 」
     (きょろきょろと身内の姿を探し、風の当たらない壁際のあたりに陣取る)

次いでシェーンがギルド前を訪れる。

シェーン:<やっぱり冷えるなー・・・>
      (白い息を吐きながら防寒具を着込み、細剣を携えた女性が旧冒険者ギルド前へと現れる)

しばらくするとナークが駆け足でギルド前にやってきた。

ナーク:「あ、皆〜。これからよろしくねー」
     (大げさに手を振る)

シェーン:「あ、おはようございます。今回はよろしくお願いしますね。」
      (同行する仲間達を見つけ、笑顔で挨拶する)

最後に、一人の魔術師風旅装に身を包んだ男を連れたブラムがやって来る。

ブラム:「おはよう!この人が学院からきてくれたハインツさんっ!…呼び方は…ハインツでもダイジョブ?」
    (旧冒険者ギルドに集まっているメンバーにハインツを紹介する)

比較的小柄で、金髪碧眼のどこかやんちゃな雰囲気のする若い男は、ざっと一行を眺めて軽く片手を挙げた。

ハインツ:「よお、よろしくな。学院のハインツ=シェルゼンだ。ハインツでいいぜ」

マリア:(ハインツを見つけると、そちらを振り返って手を揚げる)
     「や、私はマリア。さっきも言ったけどしばらく一緒に行動することになると思うから。ヨロシクね。」

シェーン:「あなたがハインツさんですか、シェーン=ドゥルキスといいます、初めまして。
      同行していただけて嬉しいです。」

      (魔道士風の男を見つけると、にっこりと微笑みながら自己紹介)

ハインツ:「よろしくな、姉さん達」

一通り挨拶が済んだところで、マリアが声を上げる。

マリア:「ん、みんな揃ったみたいだね。それじゃこれからしばらくの間ヨロシクね。」
     (軽く挨拶をして、冒険者ギルドの建物へと入っていく)

シェーン:「では、登録に行きましょうか・・・」
      (旧冒険者ギルドの建物内へ入って行く)

身軽にナークが先に入ってしまっているようだ。

ナーク:「すみません〜。遺跡調査の登録に来ましたー」
     (受付に行き、そう伝える)

受付:「ん・・・一人か?」
    (やや眠そうな顔を上げて)

ナーク:「一人じゃないですよー。私に、マリア、ブラムに後二人いますー。」
     (受付に今回のメンバーを言う)

その後に続いて、メンバーが続々とギルド内に入ってくる。

シェーン:「シェーン=ドゥルキスです。遺跡調査のお仕事をここの皆さんと請けたいのですが・・・」
      (仲間達の方を見やりながら、受付に依頼を申請する)

受付は登録作業を一通り済ませる。

マリア:「というわけで、このメンバーで遺跡調査の依頼を受けるけど、注意とか説明とかある?」
     (ギルド員に促して、注意事項なんかを聞いておこうとする。)

受付:「そうだな、じゃあ早速行けるように馬車に伝達しておくよ。
    一応、御者が道中の世話係という事になってるから、困った事があったら言ってくれ。
    向こうで手に入れたものは持っていってもいいが、一応詳細の報告は欲しいところだな」


こっちからはこんなもんだ、と受付は締めくくる。

ナーク:「それじゃ、よろしくお願いしますねー」
    (登録が完了したらぺこりと頭を下げてギルドを後にする)

ブラム:「うんっ!しゅっぱ〜つっ!」
     (メンバーと共に馬車乗り場へ移動する)

一行は冒険者ギルドを辞すと、その足で馬車乗り場へ向かった。


天聖暦1047年 天静の月 馬車乗り場

朝、馬車乗り場はそれぞれの方角へ向かう馬車でやや混雑している。

マリア:「さて、今回連れてってくれる馬車は...。っと」
    
(やはりここでもきょろきょろとして、目的の馬車を探す。)

しばらくすると、一行を見つけた御者が近づいてきて人員の確認をとる。
次いで、今回乗っていく馬車のところへ案内された。
2頭立て6人乗りで、5人組の一行ならややスペースに余裕があるだろう。

ブラム:「へぇ…これで行くんだ…お馬さんも、運転手さんもよろしくねっ!」
    (馬車を眺め回し、御者と馬に挨拶してから乗車)

マリア:「んじゃ、こっから長い道のりになるけど、色々ヨロシク!」
    (御者や同行者が居れば、そちらに声をかけながら手 を揚げて挨拶し、馬車に乗り込む。)

ナーク:「今回使う馬車ってこれ?これかな??」
    (真新しい物を与えられた子どもの様にはしゃいで馬車内に乗り込み)

シェーン:「さて、出発ですねー・・・」
      (仲間に続いて、馬車に乗り込む)

荷物などの最終チェックを済ませて、御者が御者台に乗り込んだ様だ。

シェーン:<長時間乗ってるとなかなか大変なんだよね・・・>
      (とか思いつつ、座る場所に毛布を敷き、その上に座る)

ブラム:「そだ…ハインツ、あれから分かった事とか…ある?入り方とか…。」
    (一段落後、共有しておく情報は無いかを問う)

ハインツ:「そうだなあ、色々あるが・・・ま、道中にでもゆっくり話すとするぜ」

一行を乗せた馬車はゆっくりと走り始め、やがてガウディの市門を抜けて行った・・・

遺跡調査(第四話)

その都市は、迫り来る死にあえいでいた。
都市のあらゆる処から赤黒い炎と煙が立ち昇り、空には有翼の妖魔が飛び交っている。
表道、裏道問わず武装した妖魔が駆け回り、逃げ惑う人間に一撃を容赦なく叩きつける。
都市のあちこちで力ある人間達の抵抗が試みられていたが、その数の差は圧倒的だった。

都市の中央には壮麗にして堅固な城がそびえていたが、天守は半ば崩れて黒煙が立ち上っていた。
騎士や兵はそれを護る様にして陣をひいていたが、その表情はひどく追い詰められたものだった。
その中でもひときわ目覚しい働きをしていた黒い甲冑の騎士は、伝令の言葉を受けて幾度か躊躇した後、
戦線を同僚に任せて身を転じ、城内に向けて走り出した。

「アスターシュ!」
城の中層にある広間に駆け込んできた黒い甲冑の男が、街の様子を見つめていた白い甲冑の男に声をかけた。
二人と周囲の兵はいずれも疲労の色が濃く、鎧は血や煤、様々なもので汚れて輝きを失っていた。
「ラズボーン・・・呼びつけてすまない。」
「それはいい・・・陛下は?」
「・・・知っての通りだ。低級竜種の一斉攻撃でおかくれあそばした」

それはラズボーンも地上で戦いながらまじまじと見た光景だった。
迎撃の魔法や銃撃は間に合わず、四方から放たれた紅蓮の炎で天守が包まれたのだ。
銃士隊の一斉射撃と魔法攻撃で竜は全て叩き落したものの、既に時遅しであった。
これが、今ひとつ城を護る騎士や兵たちの士気が上がらない一因であった。
「・・・王子方は?」
「・・・」

黙って首を振るアスターシュから視線を逸らし、ラズボーンは握った拳を振るわせた。
アスターシュはそれを気遣わしげに見やると、再度口を開く。
「それでも、ミレル様が何とか王都を脱出された。アデルハイムに向かっている」
「・・・アデルハイムか」

ややラズボーンの口調が安らいだ。城塞都市アデルハイムは最も堅牢な都市の一つである。
「神聖都市ネティアにも親書を送った。クールニクスが王族の受け入れを申し出ているから、
ネティアからガウディ経由で何とかお逃がししたい」
「・・・で、俺に護衛を?」
「いや・・・」

アスターシュは視線を転じると、一人の女性と、その腕に抱かれた赤子を見やった。
ラズボーンはこの広間に入った時からその光景に違和感を感じていたが、あえて口にしなかった。
「お前には別の任務がある。彼女らをザシェルまで護衛し、その後力になってやって欲しいのだ」
「ザシェルというと、あの・・・湖城か。しかし・・・彼女らは?」
「彼女は乳母だ。その赤子は、エステル=ド=サンクテュース・・・と言えば、分かるだろう?」

その名前を耳にすると、ラズボーンは目を見張った。
「王妃様により、とうに命を奪われたと聞いていたが・・・」
「陛下の命により、平民の家に隠され育てられていたのだ。・・・これで、俺がお前に頼む理由が分かっただろう。
彼女は、ゆくゆくはエステル=ド=ファルクスとなられるやもしれぬお方・・・お前にしか任せられん」

「・・・」
城を枕に討ち死にするつもりだったラズボーンは躊躇した。しかし、その暇すら許されない事を、彼は熟知していた。
「アスターシュ・・・恨むぞ。地獄で会った時は拳の2、3発は覚悟しておけ」
「その時は、そこで死になおして天国に行かせてもらうとするさ。・・・城の脱出口を使え、陽動する」

慌しく、周囲の風景が動き出した。全ては、王族の忘れ形見を辺境へ落ち延びさせるために・・・

・・・
・・


・・・古びた応接室の窓から、朝日が一筋室内に差し込んできた。
ソファに掛けていた少女は、声が話し終えたのを知ると静かに瞼を開いた。
その鮮やかな紅い瞳に、一揃いの黒い甲冑を写すと、形の良い紅唇を開く。
「卿の記憶…想い…確かに受け取った。それは私の中で、望み通り永久を生きるだろう」
少女は立ち上がり、胸に手を当てて静かに一礼すると、闇色のマントを翻し、応接室を辞した。
そこには闇色の毛並を有する獣が鎮座しており、少女はその首筋を一なですると、共に歩き始める。

やがてその二つの姿は、城内の闇に溶ける様に消えていった・・・

天聖暦1047年 天静の月 記憶亭

城の遺跡調査を控えた一日、アークは記憶亭を訪れていた。

アーク:「こんばんわ・・・・・・・エールを・・・ツケでお願い」
    (歩く黒ローブが扉を開けて静かに入ってくる・・・。
     まっすぐにカウンターに向かうと、いつもとは違った言い方でエールを注文する・・・。)

親父:「おや、お珍しいですね」
    (言いながらもジョッキにエールを注ぎ、前に置く)

アーク:「ありがと・・・ぐっっ・・・ふはーっ!ん。いや、例の遺跡調査に行ってくるんだ・・・
     験を担ごうと思ってね・・・帰ってきて必ず払うよ・・・では、いってくる」

    (・・・受け取り一気に飲み干す・・・ジョッキを置いて静かに外へ出てゆく)

親父:「お待ちしておりますよ。お気をつけて」
    (一礼して見送る)

時間は進み、昼食時の喧騒が終わった頃、リューアが姿を現した。

リューア:(昼下がり、店が一番暇な時間帯に記憶亭へと顔を出す)
     「これからちょっと街の外にでるんだ。んで、いくつかの村の人間に
      やっかいになるんだが、彼らが喜びそうな酒を見繕ってくれないかい?これで」

     (各方面から耳に入ってきたエイラ湖周辺村の状況を店主に話し、
      それに見合う酒3本を6sで購入する。購入の際の選ぶ基準は、珍しさ>味>量)

親父:「そうですねえ・・・じゃあ、これとこれと・・・これなんかどうでしょうね」
    (後ろの棚から3本選び出して手渡す)

それぞれゼクスセクスの蒸留酒、ヴォンジアの果実酒、シーポートの醸造酒だという。

リューア:(酒を受け取りながら店主に頭を軽く下げて)
     「助かった。じゃ、ちょっと留守にする。面白い話を期待しててくださいよ」
     (一言二言言葉を交わし、酒場を後にする)

親父:「お帰りお待ちしております。お気をつけて」
    (一礼し見送る)

リューアはその足で、黄昏の広場近くの雑貨屋に足を運んだ。

リューア:(黄昏の広場からほど近い繁華街の雑貨屋に顔を出す)
     「や。こんにちわ。今日は多めに買いたいんだが、お願いしてもいいかい?」
     (顔見知りの店主とひとしきり世間話をした後、銀貨を3枚取り出す)

店主:「おや、今日は何が入用ですか?」

リューア:「とりあえず、砂糖菓子で見た目が珍しくて、とにかく数が多いものがいいね。
     さらにこの街の名物なら文句ないんだが」

     (身振り手振りでいくつか(ぱっと聞くと『金平糖』のような)

店主:「なるほど、ではこちらを。貴重品ですが、多めに包んでおきますよ」

店主はカラフルな金平糖を袋に詰めてくれた。


天聖暦1047年 天静の月 旧冒険者ギルド

レオ:「邪魔するよ。例のエイラ湖んトコの遺跡に行くんだけど、アークはもう応募してます?
    面子は他にリューアとミネスと…」

    (メンバーを順に挙げ、登録手続きを済ませていく)

受付:「いや、まだだな。ふむふむ・・・よし、これで登録完了だ」
    (新たな用紙に色々と書きとめ)

レオ:「これでよし…だな。んじゃよろしく頼みます。……そうそう、遺跡のほうから何か
    新しい情報来てます?城が点滅する仕掛けが解けたーとか」

    (去り際にそれとなく振ってみる)

受付:「いや、相変わらずだよ。苦戦してるみたいだな」

レオ:「ん、そか。どうも」
  (小さく笑い、目礼して去っていく)

レオが去ってしばらくすると、アークが姿を現した。

アーク:「ども・・・こんにちわ・・・」
    (歩く黒ローブが扉を開けて静かに入ってくる・・・。まっすぐに受付へと向い挨拶を送る)

受付:「やあ、アーク」

アーク:「ようやく遺跡調査の依頼を受ける準備ができたんで報告に来た・・・
     面子はアーク、ミネス、リューア、レオ、ラーディ、ライト、エル以上の7名。
     今言ったやつらも個々で依頼を受けに顔だすだろうから、処理の方頼む
     気の早いヤツは、もうきていることだろうけど・・・」


受付:「そうだな、早速一人来てたよ。よし、処理完了だ」
    (用紙に必要事項を書き込む)

アーク:「あぁそうそう馬車と食料の準備をよろしく頼む。明日には出たいんだが間に合うかい」

受付:「7人だから、大き目のを用意しとくよ。明日朝には出られるようにしとくさ」


その後、リューアがギルドの扉を開いて入ってきた。

リューア:(旧ギルドの扉を開き、室内に足を踏み入れる。まっすぐ受付へ向かい)
     「リューア=リネスです。遺跡調査の仕事を請けさせてもらいます。
      で、すでに話は通ってるかとおもいますが、アークというチームの……」

     (受付に仕事の受諾と、アークチームの一員であることを説明する)

受付:「ああ、話は聞いてるよ。・・・よし、これで登録完了だ」
    (用紙を書き上げて)

次いで、ラーディがギルドを訪れる。

ラーディ:「や、邪魔するよ。今いいかい?例の遺跡調査の依頼、受けることにしたよ。
      アークのチームに参加することになる……もう、あっちからは申請があったかな?」

     (訓練の帰りなのだろう、武具を収めた荷物をがちゃつかせながら受付に現れる)

受付:「ああ、既に話は聞いてるよ。・・・よし、これで登録完了と」
    (用紙にペンを走らせて)

ラーディ:「じゃあ、道中の手配頼むよ。そちらの準備が整い次第、明日にも出立するから」

受付:「ああ、明日朝にでも出立できるようにしておくよ」

その後しばらくしてから、ライトが扉を開けて入ってくる。

ライト「さて、皆さんもう登録していますかね?」
   (ゆっくりとした足取りでギルドの前にやってくる)

受付:「お、依頼の登録だな」

ライト「ライト=フィークスです。アークさんたちと一緒に遺跡調査の仕事をうけさせてもらいます。」
   (ギルドの中に入り受付で登録をする)


受付:「よし、承った。これで登録は終了だ」
   (用紙の必要事項を書きあげて)

入れ替わるようにして、エルンストが姿を現す。

エルンスト:「こんにちは、遺跡調査の件で来ました。既にアークという名前で登録
        されていると思いますが……ええ、私もそちらの一行に参加させていただきますので」

       (受付の男に丁寧な口調で尋ねつつ、示された用紙に万年筆で必要事項を書き込み)

受付:「ああ、話はきいてるよ。・・・よし、これで登録終了だ」
    (用紙の内容を確認すると)

エルンスト:「と、これでよろしいでしょうか……それでは、よろしくお願いします」
       (書き終えた用紙を受付に返すと、律儀に礼をしてギルドを後にする)

その後しばらくして、ミネスがギルドに姿を現した。

ミネス:「こんにちは。遺跡調査の件に登録させていただきたいんですけど...
     ええ、アークというもののチームで... 。」

    (旧冒険者ギルドの受付に話しかけ、チームの参加の照明をする)

受付:「ああ、これで全員だな。・・・よし、これで登録完了だ」
    (用紙を書き上げて)


天聖暦1047年 天静の月 ガウディ

出発前日、冒険者達は各々準備に余念が無い。

エルンスト:「………今回も、よろしく頼みますよ」
       (古びたアパートの一室。床に砥石と水の入った桶を置き、丹念にカッツバルゲルを
        研ぎ澄ます。冷たい表情で、時折剣に話しかけているかのように呟き)

ミネス:「保存食持った、小物、防寒具、寝袋も持った。魔法の調子は、絶好調?
     おなかの調子は腹八分、今夜はぐっすり眠っていい感じー」

    (目の前に背負い袋を置き、背中に娘を背負ったまま節にあわせて
     持ち物チェックをしている。娘はきゃっきゃと楽 しそうに笑っている)

天聖暦1047年 天静の月 馬車乗り場

そして、明けて出発当日。それぞれの出発の光景がある。

ミネス:「じゃあいってくるよ。子供達をよろしく。...はい、ええと、おたから手に入れて帰ってきます...」
    (きりり、とキメて出かけようとしたのに妻に釘をさされてがくーと肩を落としつつ、
     気を取り直して手を振って歩き出す)

エルンスト:「これでよし、と……さて行きますか」
       (部屋の整理整頓を終え、異常に物が少なく生活感に乏しい部屋を見渡して呟き。
        防具を一つ一つ改めながら身に付け、一頻り身体を動かして装着感を確かめると、
        一度自らの頬を叩いてから朝の町へ)

朝といっても、早朝より早い時間帯で、陽の光もまだない頃合のようだ。
待ち合わせ場所にはまだ誰も来ていない様子である。

エルンスト:「ふむ、少し早く来過ぎましたかね……」
       (道具を詰めた麻袋を背負って馬車乗り場に現れる。待ち合わせの時間よりかなり
        早く着いてしまったため、まだ目的の相手は集まっていなかった様子)

周囲には多くの馬車があり、それぞれ出発の準備を整えている。

エルンスト:「馬車はこれでしょうか……?」
       (馬車乗り場に繋がれている馬車の列を眺め、ギルドが調達したらしき馬車を
        探し、見つかればその大きさと台数、ランタンなどの光源は備え付けられているか、
        その他に何か特徴はあるかを見てみる)

ギルドが用意したと思われる馬車は、保存食が山のように積まれているのですぐそれと知れる。
どうも、街中からかき集めたもののようで、それぞれ装備などはマチマチである。

御者:「ええと・・・今日出発の、旧冒険者ギルドの人かい?」
    (大き目の馬車から声をかけて)

エルンスト:「……っと、おはようございます。もしかして遺跡調査関係の方でしょうか?
        ええ、実は私も参加する側の人間でして…名はエルンストといいます。
        今回は一つよろしくお願いいたします」

       (ふとギルドの雇った御者らしき人物を見つけると、挨拶を交わし)

御者:「エルンスト・・・アーク隊のメンバーだな。ああ、これからよろしく」
   (ファイルをめくって見ながら)

エルンスト:「あの、少し馬車の点検をさせていただいてもよろしいでしょうか?
        いえ、決して信用していないわけではありません。ただ、私が心配性なもので……」

       (まだ時間があると思ったのか、御者に点検してもよいか尋ね。なるべく相手の気を
        悪くさせないように、できるだけ丁寧な口調になり)

御者:「そりゃ構わないが・・・馬車には詳しいのかい?」
    (やや不審な顔つきをするも、頷く)

エルンスト:「すみません、それでは……」
       (頭を下げて非礼を詫びると、荷車の下に潜り込み、特に足回りに異常が無いか、
        車軸に損傷はないかを重点的に点検する)

念入りに調べてみたが、特にこれといった異常は見当たらないようだ。

エルンスト:「特に異常は無いようですね……すみません、お時間をとらせてしまって」
       (荷車の下から這い出すと、土を払ってから頭を下げて詫びる)

御者:「いや、何も見つからなかったなら良いことさ」

やがて時間も過ぎ、集合場所に冒険者達の姿が見られるようになった。

ラーディ:「じゃあ、行ってくるよ。火には気をつけてね。
      ……ああ、みんな。お待たせ、かな?こっちの準備は万端だ。いつでも行けるよ」

     (見送りに来てくれたハーフドワーフの少女に手を振ると、仲間たちのところに歩いてくる)

レオ:「おはよう。急に混ざることになって悪いけど、よろしく頼むよ。」
  (周囲のメンバーに軽く頭を下げる)

エルンスト:「おはようございます。……改めてよろしくお願いします」
       (微笑を浮かべて礼をし、次第に集まってきた面子と挨拶を交わす)

ミネス:「おはようございます。しばらくよろしくお願いしますね」
    (メンバーににこりと微笑みながら挨拶をする)

一通りメンバーが揃い、その後しばらくしてアークが歩いてきた。

アーク:「ちと遅れたかな・・・みんな、そろってるかい?」
     (少し遅れてきて)

どうやら、全員揃っている様子だ。

アーク:(歩く黒ローブが旅の荷物を担いで静かに歩いてくる)
     「準備をしながら聞いてくれ。とりあえず道中の班分けを発表する。
     リューアとミネス、レオとライト、ラーディとエルとオレの3班体制で、
     リューア班とレオ班は日中、馬車での移動時の警戒を交代で行ってくれ。
     ラーディ班は夜間、野営地での警戒。・・・あてにしてるぜラーディ。
     そうそう今回は、夜間マジックユーザーを出来るだけ休ませる方針で行く。
     幸い、壁、じゃなくてフォワードの連中は腕がいいのがそろってるしな」

    (馬車に荷物を移しながら指示を出してゆく)

リューア:(自分たちが乗り込む馬車の前で、入念に柔軟体操を行いながらアークの言葉聞き)
     「ったく。しょっぱなからこき使うね」
     (吐いた言葉とは裏腹に、より入念に柔軟体操を始める)

ラーディ:(アークの班分けを聞いて、ひとつ頷き、苦笑を浮かべる)
     「了解。妥当なところだろうね……任されたよ。
      ……しかし、そうすると馬車の中で昼寝か……体が痛くなりそうだねえ」

     (といいながら、馬車の中では揺れをものともせず、
      腕を組んで座ったまま静かに寝息を立ててたりする)

やがて、馬車が引き出されて一行の前に止まった。
二頭立ての八人乗り馬車な様だ。大きさからか、そこそこ良い装備が揃っている。

エルンスト:「承知いたしました。さて、いよいよ出発ですか……まずは、
        リューアさん達にお任せしますよ」

       (アークの指示を承服すると、そう言って荷台に乗り込む。早速、麻袋から毛布を
       取り出し包まって暖を取る)

ミネス:「...お馬さんお馬さん。」
    (嬉しそうに馬に近寄って、できれば撫でようと手を伸ばす)

馬達は特に嫌がらず、優しそうな瞳でミネスを見返した。

アーク:「行き先はテリウス村。準備が出来次第出発だ・・・最初の見張りはリューア班。
     てことでリューア、御者台で警戒よろしく・・・ミネスは、まぁいいか・・・」

    (それだけ言うとそそくさと馬車の住人となる・・・)

ミネス:「とと、すみません。...しょと。」
    (あわてて馬車に乗り込み、ちゃっかりアークの隣に座り込んだ)

ライト「馬車での長旅は久しぶりですねぇ」
   (用意された馬車を一通り眺め、馬車に乗り込む


リューア:(御者台に乗り込みながら)
     「道中ヨロシクたのみますよ。安全で楽しい旅になるといいですね」
     (御者の邪魔にならないよう台に腰掛る。そして馬車が街を出ると、 周囲の警戒を始める)

御者:「全くだな」
    (頷き、全員乗り込んだのを確認すると馬に鞭をくれる)

やがて、一行を乗せた馬車は市門を抜け、街道の先に消えていった・・・
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