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濃霧調査(第一話)

天聖暦1048年 神滅の月 千年都市ガウディ

その日、肌寒いと感じるほど気温が下がった。
もう秋か、ガウディの街でも長袖を着る住民が出始めてくる。
木々もその有り様を変え始め、場所によっては見事な紅葉が目に入り情景を楽しむことができるだろう。
収穫の時期でもあり、ガウディの街はいつも以上に賑わっている。


その日、肌寒いと感じるほど気温が下がった。
もう秋か、いや違う・・・これは秋によるものではない。
視界を覆いつくす白、地上にいれば快晴の眩しさなど知ることはできないだろう
昼夜問わず森林に漂う白い影、村人は気味悪がって森林部へ、湖へ近づこうともしない。
土地柄を知らぬ者が森入れば迷うだろう…ここは天然の迷路と化していた。


突如現れた湖の砦、いくつか話は聞いたが何とも曰くがつきまとう建物だ。
塔の窓から霧を見下ろしつつ男は手紙を書すと伝書鳩の足にくくりつける。
冒険者達によって調査されたこの砦"エイラフォート"。
サーゲオルーグ・バーネッツの中間にあるこの砦は戦略上重要な拠点と成り得る。
現在修繕作業が進められている為、この濃霧によって作業を遅らせるわけにはいかない。


伝書鳩が冒険者ギルドに届く。
数日後、ここ旧冒険者ギルドの掲示板に一枚の紙が張られた―――


依頼内容:エイラ湖に発生した濃霧の調査と解決
依頼者:冒険者ギルド
場所:エイラ湖
報酬:基本30S + 報告内容による
危険手当:特になし
期間:新聖の月 14日 (10月14日)
募集定員:最大7名

補足①:行き来の馬車と食事代はギルドが負担する。
補足②:濃霧の中竜の姿を見たという情報有り、真偽は不明。


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やたら目立つ馬車(看板)に集まってくる冒険者達、
どれも見たことがある顔かもしれない、何せ記憶亭からしか来ていないのだから。

フィア:「おはようございます。フィアと申します。
     今回はどうぞよろしくお願いします。」
    (約束時間より早めに現れ、大げさな看板にややひるみながらも丁寧に挨拶する)

フィア:「・・・この、なんというか、妙に気合いの入ったお出迎えは、貴方の意図で・・・?」
    (毎回こうなのか、それとも依頼者によるものなのかを問いかける気配を滲ませて)

シェーン:<朝は肌寒くなってきましたねぇ・・・
    (荷物を手に馬車停留所へと現れる)

シェーン:「さて…ギルドの馬車は…。」
     (あたりを見回してそれらしい馬車を見つけようと)

シェーン:「・・・・・・。またえらく大々的ですねぇ・・・。」
     (苦笑を漏らしつつも,看板を目当てに馬車へと近づいていく)

ナーク:「・・・お、これだねー。なんとも目立つ目印だこと・・・」
(ご丁寧な看板に目を丸くしながら荷物をまとめた袋を持って馬車に近づく)

ゼロ:「・・・こちら・・ですか・・。」
(大袈裟とも取れる看板を見ながら、その周辺へ視線を走らせ歩いてくる)

ゼロ:「・・遅くなってすみません。・・水袋などの・・準備で・・。」
(ギルド員や周囲に居るメンバーへ微笑と会釈を投げかけ、言い訳)

ユーリ:「……」
     (爽やかな朝に似つかわしくない辛気臭い表情で馬車停留所へ)

ユーリ:<…あれ…だろうな…?
     (妙に目立つ看板に歩み寄り、一礼)
     「…旧ギルドに登録させてもらっております…ユーリと申します…」

メルディア:「おはよう、遅刻、じゃないわよね」(集合地点に顔を出す)

フィア:「おはようございます。
     ・・・あなたも参加されるんですね。よかった。
     わたしは何も知らずに申し込んでいまったから、頼りになる方がいて安心です・・・」
    (見知った顔を認め、ほっとしたように柔らかく微笑む)ゼロ、メルディア

フィア:「道中は何事もないと思いますが・・・戦闘は不得手です。
     何かあった場合、指示をいただけるとありがたいです」
    (メンバーを見回して、ふと合った視線の主に少し申し訳なさそうに微笑みかける)

誰もが奇異な視線で看板、そしてスレイルを見つめる。
そんな視線に頭を掻きながらスレイルは弁解した。

スレイル:「いや、さ…俺も結構恥ずかしいのねこれ。
      旧ギルドの方が張り切っちゃってさ、まぁ一時の恥くらい我慢してくれ、な!」

シェーン:「今度は何が待っているんでしょうね・・・。」
     <そもそも砦の主やあの魔獣はどこに行ったんだか・・・
     (どこか思案顔で続いて馬車へと乗り込んでいく)

ナーク:「ん~・・。エイラ湖は久しぶりだなぁ~・・・。そうそう、妖魔の動きってどうなってる?エイラ湖までの道のりでの襲撃とか。ちらほら見受けられるんならちょこっとは警戒しないとね。」
(一度背伸びをしてからスレイルに問いかける)

ゼロ:「・・スレイル・・さんですか・・。・・僕は・・ゼロと言います。
・・宜しくお願いします。・・何度かエイラ湖までは・・行った事が?
・・最近は・・どうでしょう?・・物騒な事とか・・無かったでしょうか?」

メルディア:「馬車の旅は楽でいいわ。エイラフォートへの物資を運ぶ便も多いだろうし
       この道は結構平和なのかしら」(スレイルに訪ねてみる)

スレイル:「そうだな、交通面も整備されて以前より行き来が楽になったな。
      警備の巡回のおかげで妖魔の発見も見なくなったそうだ。
      評議会万歳って奴だな。」

ナーク:「そっかぁ~・・・。りょーかい。んじゃ、安全運転お願いねー。・・・・・うりゃうりゃうりゃ。」
(礼を言うと、馬車に乗り込む。座席を確保すると毛布を取り出し、クッション代わりにして座る)

スレイルが挨拶を済ませると、冒険者達は馬車へ案内され千年都市ガウディを発つこととなる。
馬車は馬二匹が引き、そして比較的頑丈な造りである。冒険者と一緒に食料や何か大きな物が積まれている。

ナーク:「出発~。竜を見つけて何をしよー。」
(謎の言葉を発し、いけーと人差し指を天井にびしぃ!!とさす)

整備された街道を馬車が闊歩する、速度はやや遅めだが特に揺れたり跳ねたりすることもなく快適な旅路になるだろう。
空も冒険者達を歓迎するように暖かな日差しを差し向けている。
そんな道中。

フィア:「エイラ湖まではかなり距離があるんでしょうか。
     スレイルさんは、行かれた事が?」
    <もし、エイラフォートの方の状況を知っている人なら、噂の話を聞きたいところですが・・・
    (荷物を引き寄せ、失礼にあたらない程度の好奇心を持って相手の身なりや仕草を観察する)

フィア:「・・・ギルドの方・・・ではないですよね?
     わたし達と同じようにエイラ湖の方までの輸送をギルドから請け負われた・・・?」

スレイル:「そうだな、こっからのルートは宿場町を経由して目的地に着くのは大体十日って所だ。
      一週間で宿場町に着くからそれまでこの馬車で我慢してくれ。」
     
スレイル:「あぁ、俺はヨトナ村とガウディの荷物運搬を仕事にしているからエイラ湖は何度か見たことがあるぜ。
      ギルドの依頼ーっちゃ依頼なんだが、あそこのおっちゃんは俺の知り合いでな。
      今回は貸しってことでお前さん達を乗せることになったのさ。」

メルディア:「そういえば、竜を見たらしいっていう話だけど見たのはヨトナ村の人なの?
       もし知ってるなら知りたいんだけど」(スレイルに訪ねる)

スレイル:「見たのは修繕工事している野郎だったかな。基本ヨトナ村の連中は城には寄り付かないし
      霧が出てからはほとんど行こうともしなくなったな…。」

やや沈んだ声で答えるスレイル、表情こそは見えないがその背中は丸まっており少し寂しそうに見えた。

ユーリ:「…」
    (警戒するかのように周囲を眺めている)

目に映る光景は秋、道中見かける木々は黄や紅に染まっており、道には鮮やかな色彩が広がっている。
馬車から見える光景はさながら馬車という額縁に収められた絵画のようだ。

メルディア:「そういえば霧の発生範囲をギルドで教えてもらったんだけど・・・」(参加者達と情報交換を行う)

ゼロ:「・・・・。」
<・・前回は・・遺跡調査で・・浮ついていましたが・・今回は・・・。
・・一体・・霧の原因は・・・・・。・・白銀の・・・・・。
(馬車内へと吹き込む風に目を細めて、遠くに視線を向けたまま思案)

白銀、これが一体何を示すのか。
果たして白銀の名を冠する者がゼロと相対するのだろうか。
誰も答えられる者はなく、馬車はただひたすら街道を進んでいく…。

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